2010年6月アーカイブ

6月17日、Amazon.co.jpが「Amazon Vine先取りプログラム」をスタートした。

amazonvine

どんなサービスなのかをカンタンに説明すると、アマゾンのカスタマーレビューで優秀な結果を残している人間をアマゾンがヘッドハンティングして、発売前の商品をプレゼントするかわりにレビューを書いてもらうというモニターサービスのようなものだ。

月1度メールで送られてくる商品リストの中から欲しい商品を選んでクリックすると、もれなくその商品がタダで貰え、届いた商品のレビューを書けば毎月欲しいものがタダでゲットできてしまう夢のようなサービスである。

「どーせしょーもないモンばっかなんでしょ?」と思っていたらアラびっくり、6月17日の初回配信メールを見ると、本やCDはもちろん、圧力鍋やデジタルフォトフレーム、ダイソンの最新型掃除機までラインナップされている。もちろん個数には制限があるようだが、メール配信から10時間経った時点でも注文できる状態であった。

アマゾンがタダで発売前の商品をバラ撒いてでも良質なカスタマーレビューを欲しがるのには優秀なレビュワーの流出が背景のひとつとして挙げられる。

そもそもアマゾンのカスタマーが何故一銭にもならないのに喜んでレビューをするのかといえば、「参考になった票」を得たい、情報をみんなに教えて共感してもらいたい、という自己達成欲が満たされるからだ。言い方を変えるとアマゾンのカスタマーレビューというのはその自己達成欲だけで成り立っていたのである。

アマゾンにおいてカスタマーレビューは商品購入時の重要な要素なので、アマゾン側もランキングシステムを導入したり、抽選で商品券をプレゼントしたりしていたけれども、基本的には自己達成欲以外に何もメリットがないため、一部の優秀なレビュワーはアマゾンのカスタマーレビューから離れ、自分でアフィリエイトブログを立ち上げて金銭収入を得たり企業から商品サンプルを受け取り記事を書く方式にシフトしていったのである。

また、多くの真面目なレビュワーはアマゾンの現状のカスタマーレビューで自己達成欲を満たすためにシコシコと販促担当者もニンマリするような良質なレビューを書き続けたが、「商品の発売前レビュー」や「買ってもいない奴の妄言」に辟易としていた。

特に「商品の発売前レビュー」が可能だった(2009年7月頃まで)アマゾンのレビューシステムには多くの問題があった。雑誌の記事をそのまま貼り付けたり、「ファンなので期待を込めて星5つ!」という単なる日記レベルの文面がカスタマーの共感を呼んで大量に「参考になった票」をゲットすることができたのである。2009年頃までは「発売前の情報を必要としている人もいる」「もともと参考にならないから見る奴が馬鹿」という意見も多く、野放し状態になっていた。

真面目なレビュワーはきちんと発売日にアマゾンで商品を買って、レビューを書いて、投稿するのだが、商品発売前に大量に投稿された「期待を込めて」系のレビューに埋もれてしまい、本当に参考になるレビューであっても「空気を読んでいない」とカスタマーに判断され「参考にならない票」を大量に入れられてしまうなど、真面目な奴が馬鹿を見る状態になってしまっていた。これでは真面目にレビューを書く意義などどこにもない。

しかしながら、発売前に酷評レビューが多数投稿されアマゾン側がレビュー一斉削除に踏みきった「ドラクエ9事件」を機に、アマゾンとカスタマーの意識は徐々に変わることになった。発売前レビューには参考にならない票が続々投票され、レビュー内容も精度が高くないものは文句がつけられてしまうシステムに変わった。また、現在では商品の発売前レビューは原則できなくなっている。

現在までのこのような流れがあったうえで、「だったら真面目なレビュワーに先に商品をプレゼントしてレビューしてもらったほうが参考になるし売れる」という考えのもとスタートしたのがAmazon.co.jpの「Amazon Vine先取りプログラム」なのである。

真面目で優秀なレビュワーにとってはまさに「信じるものは救われる」レベルの画期的なサービスといえるだろう。また、アマゾンや提供側もレビュワーに商品そのものをプレゼントしてまでレビューしてもらう価値がある、と踏んでいるのが分かるのが好印象で良い。少なくともケータイ小説「恋空」書籍で「トイレットペーパーにしてますwww」というお祭りレビューをするカスタマーの5億倍重要視していることは間違いないだろう。

「Amazon Vineに招待されたい!」というカスタマーは、レビュー数よりもこれからその商品を買う人間が期待していることや参考になることをしっかり答えて「参考になった票」を積み重ねることを心がけるべきだ。(新ランキングで2000位前後が対象との噂だが、レビュー数は30程度の7000位でも票が多ければ招待されるようだ。)

Wikipediaを見る限り、家電ではネットブックやPC、カメラ、スピーカー、ハードドライブなども対象になっているようだ。新商品をタダでゲットできるチャンスなのでエレクトロニクスに詳しい方はどんどんレビューすべきだろう。

ちなみに私はAmazon Vineメンバーだが、希望アイテム部門の「アダルト」しかチェックを入れていない。今回はアダルト部門では何も商品が無かったがTENGAの新型をゲットできたらどこよりも早くココで使用感をレポートする。

カテゴリ

ウェブページ